面倒くさいことが糧になる


庭を持つといろいろな植物を眺める楽しみができる。

木や植物があると気持ちが和む。

季節の変化や、風の吹き具合、そこにやってくる生き物たちの様子を観察することもできる。

しいて観察しようとせずとも、何かしらに芽生えた変化に気付くとき、心がふっと落ち着くことがある。

庭を持つなら、コンクリートで覆うことだけはしたくないと思っていた。植物がもたらす恩恵は図りしれないからだ。

木々は暑さや視界を遮ってくれる。

季節ごとに咲く花は、庭に彩りをくれる。

花や実に誘われていろいろな生き物がやってきてくれる。

でも、そんな恩恵をくれる植物があるということは、当然土があるわけで、土があれば、そこには四季折々の雑草が顔を出してくる。

面白いのは、季節ごとに顔を出す馴染みの雑草以外にも、ある日突然「はじめまして」と顔をだす雑草があることだ。

風や鳥、人の移動によって運ばれてきた雑草たちなのだろう。雑草だけではなく、植えた記憶のない木が生えることもある。けっこう大きくなるまで気づかないこともあるのには、驚いてしまう。

我が家には塀で覆われた中庭みたいな庭もあるが、そこは、植えている植物しか顔を出さない。動物の移動と植物の移動は、密接に関係しているのだと教えられる。

雑草の生命力は強い。放っておいたらどれだけでも繁茂していく。それに対抗するためには、やっぱり抜くのが一番だ。

とはいえ、草取りはなかなか重労働でもある。かがんで草を取るのは、首や腰、背中、足、指先、いろんなところに痛みをもたらす。

カレルチャペックも、雑草と苦戦していたようだ。

整えられた庭にしたいなら、避けては通れない除草作業。それは大変な作業ではある。

でも、地道な作業を終えると、しっかりとした達成感を得ることが出来るのも事実だ。

地に足つけた生活が出来てると感じる。ひっそりとした充足感がある。案外、面倒くさいことが生きていく糧になっていたりもする。

その除草作業を、別の生き物に手伝ってもらう方法がある。

ヤギ、アイガモ、ガチョウ。

ガチョウが草刈り?

気になる。飼ってみたい気持ちが湧いてくる。

問題は、生き物たちの鳴き声と臭いだろう。飼いたくなったからといって、すぐに飼うことはできない。隣近所のことを考えるとやっぱり無理だという結論に至ってしまう。でも気になる。飼ってみたい。いつか広い土地を手に入れたら・・・。と夢見てしまう。

でもやっぱり無理だ。そんな土地は手に入らないのだから、今は、地道に草を取るしかない。

そんな人には、こっちもおススメ。

これは、庭を持つ人なら読んでおきたい本だ。

いろんなところに生えてくる雑草が、種類ごとに取り上げられている。そして、その対処法が書いてあり、とても勉強になる。

雑草もその名前を知ったら、すこし愛着が湧くのが不思議だ。名前を知っていた方が、草取りも少し楽くなるだろう。