落ち葉マルチング


生け垣に何を植えるか深く考えず、庭の業者に勧められるまま槙の木を植えた。

槙の木は初年度こそ水切れで枯れかけたものの、その後は一年中青々とした葉をつけ成長している。手のかからない木だという印象がある。

困ったこともある。
花粉だ。
ある年から五月頃に子どもが花粉症に悩まされ始めた。
当初は原因が分からなかったが、槙の木のすぐ横に植えているジューンベリーやブルーベリーが白くなることで、それに気づいた。

槙の木の花粉対策は新芽を刈ることだと知り、その年から4月になると槙の木を少しずつ剪定するようにした。

剪定した際、大きい枝は集めて捨てたが、一部の葉をそのまま地面に放置していた。しばらくして、その場所だけ雑草がほとんど生えてこないことに気づいた。

槙の葉は細長くて軽いのに、硬くまっすぐで、風に飛ばされない。
その性質がそのまま、地面を静かに覆う“落ち葉マルチング”になっていた。

槙の葉は、重なり合うと瓦のようにしっとりと馴染んで、光をやわらかく遮ってくれる。
分解がゆっくりだから、一度敷くと長くそのまま残り、土の乾燥も防いでいるようだ。
剪定した葉が、ただのゴミではなく、庭の中で役割を持ち始めた瞬間だった。

家の周りには、畦のような部分があり、土がいいのか雑草がとにかく旺盛に育つ。
斜めになっている場所もあり、そこに面したアスファルトが崩れて落ちてくるため、草が生えやすいのに、草刈りはしにくい。でも、放って置くと蛇が居つくので、いつも管理が面倒だと感じていた。

定期的に雑草を刈り取り、それを集めて捨てていたが、思い立って刈り取ったままその場に放置してみると、背の高い雑草が生えにくくなった。

今年はそこに槙の葉を撒いたらどうだろかと考えている。
人工的なマルチ材よりも風景に馴染んで、しかも風で飛ばない。
庭の中で完結する、小さな循環が生まれる気がしている。

剪定した葉が、思いがけず暮らしを助けてくれることがある。
植物の性質に気づくと、生活が少しだけ楽になって、庭との距離も近くなるだろう。