匂いか臭いか


ジムで汗を流していると、ふと器具に残った臭いや、すれ違う人の体臭に気づくことがある。
その瞬間、私は自分の身体から立ち上る臭いにも意識が向く。汗をかいたときは特に気になる。汗をたくさんかけば、当然臭いも立ち上がる。洗濯洗剤や制汗剤である程度は抑えられるだろうけれど、運動しているときはしかたがないとも思う。
でも、それ以外のとき──本当に私は“臭っていない”と言えるのだろうか。

加齢臭や腋臭は、たいていの人が気づいていないように思う。それがすごく不思議だ。他人からすると明らかに臭うのに、本人は全く気にならない様子なのがなぜなのだろうと思う。


それは無関心ではなく、気づけない仕組みがあるからだという。
人は、自分の体臭に気づきにくい。
その理由のひとつが「嗅覚の順応」──同じ匂いを嗅ぎ続けると、脳がそれを“無害”と判断し、感覚が鈍くなる。
自分の匂いは、常に身にまとっている。だからこそ、背景音のように意識から消えてしまう。

加齢臭は「ノネナール」という物質によって生じるから、基本的には似たような臭いになるようだ。だから、自分の加齢臭に慣れている人は、他人の加齢臭にも気づきにくくなるらしい。

だとすると、今の私はまだ他人の加齢臭に敏感だから、自分からはさほど加齢臭が出ていない可能性が高い。自分の臭いには気づきにくいとすれば、他人の臭いが気にならなくなった時点で、要注意なのだろう。

もし、自分からも加齢臭が出てきているならば、嗅覚疲労(自分の臭いに慣れる現象)が起こらないように、定期的な換気や寝具の洗濯が有効だという。

他にも、自分の体臭を確認する方法はいくつかあるらしい。
脱いだ服を密閉袋に入れて数時間後に嗅ぐ。
枕カバーや耳の後ろを指でこすって嗅ぐ。
白いTシャツの脇が黄色くなるかどうかを見る。

意外と簡単にできそうだ。

臭わなくするための工夫もある。
汗をこまめに拭くこと。通気性の良い衣類を選ぶこと。
ポリエステルよりもコットン。
脂っこい食事やニンニクを控え、野菜や海藻を多めに摂ること。

後は、洗濯洗剤。それからボディソープも有効だろう。強い香りづけは香害になる可能性もあるから、ほどほどにしたいけれど、毎日の生活のありかたが重要なのだ。

私は今日もジムで汗をかく。
その汗が、誰かにとって不快な“臭い”にならないように。


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