ようやく秋らしくなってきた。秋といえば、いろいろ思い出すものがある。カラスウリ、エノコログサ、ジュズダマ、ドングリ、イチョウなど秋の草花。
カラスウリやジュズダマはあの頃からレア植物で今はほとんど見なくなったけれど、そういえば「ひっつき虫」にも最近ひっつかれていない。
子どもの頃、犬を飼っていたから散歩に行けばいろんな種類のひっつき虫がくっついてきた。オナモミ、ヌスビトハギ、センダングサ。犬の身体や私の服に一つ二つ、ときにはびっしりと張りついて、一つずつ取るのが面倒で、でもちょっと楽しかった。
センダングサはちくちくしてイヤだったけど、ヌスビトハギは形が可愛く、オナモミは存在感があった。
今は、たまにセンダングサがくっつくくらいで、オナモミなんて何年も見ていない気がする。私が野原を歩かなくなったこともある。でも、それだけじゃない。そもそも、ひっつき虫の種類が減っているんじゃないだろうか。雑草自体も、昔より少なくなっているような気がする。量というより、その種類が。
調べてみると、実際にそうらしい。土地の利用が変わったり、外来種が増えたりして、在来のひっつき虫たちは少しずつ姿を消している。オナモミは、外来種のオオオナモミに置き換わったり、除草の対象になったりして、あまり見かけなくなったという。
それでも、センダングサはしぶとく残っている印象だ。二股のトゲで衣服に引っかかるその種は、今日もどこかで何かが横切るのを静かに待っている。気づかないだけで、足元はちゃんと季節がめぐっているのだろう。
ところで、「ひっつき虫」という呼び方が、私の中では当たり前だけれど、一般的にはどう呼ばれているのか。
「くっつき虫」「どろぼう」「ばか」など、地域によって呼び方が違い、一般的な名称はないらしい。「くっつき虫」や「ばか」は分かるけれど、「どろぼう」と呼ぶにいたった経緯は不思議で面白い。子どもたちの遊びのなかで、衣服にこっそりくっつけるいたずらを「どろぼうごっこ」と呼んでいたことがそう呼ぶことになった一因だそうだ。
もう名前を思い出せないけれど、あの頃はよくその辺の植物で遊んでいた。ポキポキ折ったり編み込んだり、引っ張ったり、飛ばしたり、植物の特性に合わせていろいろな遊び方があった。
今も、地元に住んでいる子どもたちは同じような遊びを知っているのだろうか。知っていたら嬉しい。
