世の中がコロナ禍になる前、2日に1回は10キロ走っていた。
子どもが留守番をしてくれるようになりランニングを再開してから、フルマラソンに挑戦しようと練習に励んでいた。(フルマラソンは2回走った)
中学生の頃は陸上部だったから、走るのはそれほど苦ではない。けれど、コロナ禍を経て状況が変わってしまった。
走りに行くことができない日々が続き、すっかり走れなくなってしまたのだ。きっと年のせいだと思う。何日か走ると、ふくらはぎや足の付け根が痛くなりそれがなかなか治らない。治るまで走らずにいると、走る体力がなくなる。痛みが治まって走り始めると、またどこかを痛める。
それで、走ることをあきらめた。
でも、運動はしたい。家の中でできるトレーニングをしたり、歩いてみたりするけれど、走るほどの爽快感はなかった。もうすっかり中年の体型になった。自分のお腹が、こんなに膨らむなんて思いもしなかった。
そんな折、ジムに入会することになった。親が入会すれば、子どもが高校生の間、子どもの利用が無料になるジムを知ったからだ。ずっと家の中にいる子に、運動する機会を持ってほしかった。運動すれば、気持ちが前向きになることを、私はこれまでの経験で実感していた。
お金を払って運動するなんて考えられないと思っていた。家の中で筋トレはできるし、外に走りにいけばお金はかからない。ジムの代金を支払ってまで運動するのは、ムダな贅沢だと感じていた。
ジムに通い出して驚いたのは、ものすごく快適に運動できるということだ。
外を走っていると、ちょっとした不快に出会う。雨や暴風の時は走りづらい。日差しがまぶしい。日焼けが気になる。信号で足止めされる。段差につまづく。水たまりに足を取られる。人の視線が気になる。犬にほえられる。鳥の糞が落ちてくる。通りすがりの車から、大きな声でヤジをとばされる。暗いと怖い。急にトイレに行きたくなったときにどうしようもない。花粉でくるしい。鼻がかめない。荷物(スマホ、鍵、水)が煩わしい。帽子で視界が狭くなる。
でも、ジムにはそれがない。画面を通して、いろんな風景を楽しみながら走ることができる。没入感が楽しい。イヤホンで英語の勉強もできる。筋トレと合わせていろんなメニューが組める。足も痛くなりにくい。お腹もずいぶん平らになってきた。
なんて快適なんだ。こんな快適な場所があったなんて。確かに月々の支払はいたいけれど、たまに大きな音を立てて器具を下ろす人にビクッとするけれど、ジムはすごく快適な場所だと感じている。