近所のムシ

今年の夏は、しばらくお休みしていたランニングを再開しました。
以前は、2日に一度10キロ走っていたのですが、コロナ禍でランニングを中断し、そこから早4年。休んでいた時期が長すぎてもう1キロも走り続けられない状態です。無理をするとケガをして、また走れなくなってしまう年齢でもあります。でも、なんとか走れる自分に戻りたい。そこで、5分歩いて5分走るを繰り返すことにしました。夏の間それでなんとか走り続けていたのですが、忙しくなり今は再び中断しています。いつかまた、10キロ走れる自分に戻りたい。せめて、ストレッチだけは継続しようとしている毎日です。

秋が近づくと、夕暮れがとてもきれいになり、走っていてると普段は目にすることのない光景を見ることができます。この空もそう。虹も何度も見かけました。そして、ムシも。
フクラスズメの幼虫が食べている植物は、ポンポン草(正式名称は「カラムシ」だそう。馴染みのない呼び方です)です。小学生の頃、退屈で退屈で仕方がなかった長い通学路に生えていたポンポン草。暇つぶしにその葉でよく遊んでいました。
ポンポン草という呼び名は、大分県でよく使われているようですが、熊本で育った私も当たり前にそう呼んでいました。周りのみんなもそう呼んでいて、くぼませた手のひらにこの葉を乗せて、上からポンと叩く遊びもみんなやっていました。誰に教わったのかもう覚えていませんが、年上の子たちがやっていたのをマネして覚えたような気がします。
秋が近づくと、そのポンポン草に派手な毛虫がたくさんつきます。ポンポン草は群生していることが多く、そのどの葉裏にも大抵この毛虫がいました。フクラスズメの幼虫なのですが、あの頃は名前は知らず、成虫がどんな姿をしているのかも知りませんでした。でも、このムシを発見したら、必ずやっていたことがあります。
それは傘や木の枝などでつつくこと。
なぜそんなことをするかというと、刺激を与えるとこの毛虫が頭を振って揺れるからです。これも、なんでやりだしたのかはもう分かりませんが、見かけるとつつかずにはいられませんでした。次から次へとつついていくと、次から次へと揺れる。その揺れる振動によってポンポン草も揺れる。
後ろ向きに歩きながら、次々に揺らしていくと、わさわさと揺れるポンポン草を眺めることができます。それが見たくてつつくのです。フクラスズメにとっては迷惑極まりない行為ですが、退屈な通学路ではよい遊びでした。
そのフクラスズメに久々に再会しました。そしてやっぱりつついてみる。さすがに2匹でやめましたが、フクラスズメはあの頃と同じように揺れてくれました。
