ナナホシテントウムシ


庭のムシ62

コロンとした姿がかわいらしく、雑貨のモチーフや絵本の主人公に用いられることの多いテントウムシ。特に赤くて目立つナナホシテントウは人気のムシではないでしょうか。

ナナホシテントウムシはアブラムシを捕食することで知られています。アブラムシは多くの植物に害を与えるムシであるため、農作物にとって大きな脅威になります。そのアブラムシを食べてくれるテントウムシ。農薬を使わずに害虫をコントロールするために重宝されている面もあるようです。

成虫と幼虫の形態が全く違うため、幼虫を始めてみたときは驚くこと必至のムシですね。

可愛い姿をしていますが、捕まえるとオレンジの液を出すこともあります。想像したより、勢いよく飛ぶ姿に驚いてしまう子どもも一定数いるはず。ムシが苦手な子が増えているから、テントウムシさえ苦手な子も多いかもしれません。

私が子どものころは、田舎で育ったこともあって、周りにムシが苦手な子どはほとんどいませんでした。皆、テントウムシを見つけたら手のひらに乗せ観察するのが当たり前。指を上向きに広げると上へ上へと昇っていくその姿に、魅了されていたのを覚えています。少し大きくなって、「天道虫」と漢字で表されることを知ったとき、あまりにもピッタリの名前に、名前を付けた人はセンスがあると思いました。

成虫は春のムシの代表のような存在ですが、春から秋にかけて活動しています。冬になると落ち葉や樹皮に下で冬眠し、春の繁殖期に卵を産みます。卵から孵化した幼虫は数週間で成虫になるそうです。幼虫もアブラムシを食べるので、春は成虫と幼虫を同じ場所で見かけることも多いですね。

今回見かけた個体は、頭のあたりに黒い影があり、模様がきれいに出ていませんでした。成虫になるときに、スムーズにいかなかったのかもしれません。