庭のムシ㉛

「なんだか見慣れないアリがいる」
「見慣れない動き方をしているから、珍しいアリかも?」
「赤っぽい色をしてる・・・。まさかヒアリ?」
ヒアリだったら問題だと思って、調べてみるとヒアリではなさそう。でも、普通のアリには見えないし・・・。
あれこれ調べてみたら「アリグモ」にたどり着きました。
クモ??
しかもアリに擬態したクモ?
そんなクモがいるの?
確かによく見ると触覚のような部分も足かも・・・。アリは昆虫なので足が6本ですが、今日見つけたアリっぽいムシには足が8本あるようです。一対の足を触覚のように見せて、よりアリらしくしているとは。少し違和感はあるものの、その効果で、アリにしか見えませんでした。
アリグモはアリに擬態するハエトリグモの仲間で、世界に200種類以上存在します。そんなにいるとは知らなかった。でも、日本には6種類しかいないようなので、あんまり数は多くないのでしょうか。
今までも、出会ったことはあったのかもしれませんが、身近にいるムシにカメラを向けることなんてなかったので、気づかなかったのでしょう。ムシ日記を付け始めて、新たな学びがいくつかありましたが、今までで一番の衝撃です。面白い。
アリグモのオスは、大きく発達した鋏角を持っているため、そこまでアリっぽくはありませんが、メスはほとんどアリの姿をしています。
アリグモはアリに擬態することで、アリを嫌がる捕食者を避けており、その効果はきちんと証明されているそうです。けれど、アリに擬態しているせいで、アリを捕食する捕食者に狙われやすい上、クモ特有の跳躍能力があまりないというデメリットもあります。
それでも、アリに擬態している方が、生き延びる確率が高かったのでしょうね。アリを捕食するハエトリグモに遭遇したときは、アリらしさを見せる行動を抑えたりもしているよう。なんて面白いムシなのでしょう。
今回見かけたアリグモは、日本にいる6種類のうちのどれか?
ヤガタアリグモのメスの姿に一番似ているようです。
ヤガタアリグモは変異が多いのですが、頭部と胸部のくびれが強いのが特徴。今回の個体はくびれが強いから、やはりヤガタアリグモのようです。
草原や河川敷などにいることが多いそうですが、家の壁などに姿を現すこともあるそうで、今回はまさしくそうだったのでしょう。
珍しい機会だったのかも。ムシ日記面白いです。
