食べるということ


 朝ごはんを食べずに活動していると、気持ちがいいくらいにおなかが鳴る。体の中心から全体に向かって鳴り響く音に身を任せていると、ひもじさを通り越して、すがすがしさを感じることがある。近くにいる人にも聞こえるくらいの音量だから、1人でいる時限定のすがすがしさではあるけれど。

 毎日しっかりお腹が空く。空腹では力が出ないが、ピークが過ぎると食べなくても平気な場合もある。でも、食べることは生きること。食べなければ活動できない。今は、手を伸ばせば食べものにありつける生活を送ることができる。それはとてもありがたいことだ。だが一方で食べものにあふれる社会が、いろんな問題を産んでいるのも事実だ。

 このシリーズは本当に読みやすく分かりやすい。小学生でも十分読めるだろう。1時間もあれば1冊読み終えられるので、達成感もある。そして、考えさせられる。

 私が日常的に利用するスーパーの商品棚は、いろんな商品を探すことができる。欲しいと思った食材は、だいたいいつも買える。もちろん、売り切れの場合もあるが、そんな場合も代替品で何とかなるような品揃えだ。そのスーパーが特別なわけではない。今まで、利用してきたどのスーパーも似たような状況だった。スーパーで品揃えがいいのは、最低条件であり、その状況を気にしたことなんてなかった。でも、その当たり前は、異常なことなのだ。

 もちろん、売れ残る商品があることは知っていた。だから、商品は手前から取るようにしているし、見切り品があればそれを買うようにもしている。それが購入者として当たり前の姿勢だと思っていたら、つい最近、陳列棚の奥の方から商品を引っ張り出してカゴに入れている人を見かけ、ずいぶん驚いたことがあった。「フードロス」問題が言われるようになって、そんな人を見かける機会は減っていたが、まだ、いるのだと思った。

 食べなければ生きていけない。それは、生き物である以上仕方がないことだ。でも、何をどう食べるのかは、取捨選択することができる。そのことを忘れないようにしたい。でも、美味しいものを食べたい気持ちは捨てられずにいる。そんな自分の在り方を考えさせられた漫画がある。

 

 私は生き物が好きだ。でも、食べるのも好きだ。言葉にしてしまうと、ぞっとする。自分の中の矛盾に蓋をしたくなる。勝手だけど、子どもに読ませるのは、少し考えたいと思ってしまった。