今の時期になんで、と思うような出来事がありました。
朝早く近所の人から電話があり、我が家の敷地の周りに除草剤がまかれているみたいだと教えられたのです。
我が家の敷地のすぐ隣は道があるのですが、その道と我が家の敷地の境目に小さな土手のようなものがあります。幅は1メートルぐらい。それが家を取り囲むように10メートルほど続いています。その部分は一応市の管理地になっています。
その土手は我が家の敷地ではありませんが、雑草が生い茂っても市が除草に来てくれるわけでもないので、基本的にうちが草刈りをしている場所です。大変ではありますが、土があれば草が生える、それが当たり前だと思っています。
雑草が気になるなら刈るか抜けばいいだけのこと。
土があって緑がある生活がいいから、コンクリートで覆わずに庭を造っているのです。
土と緑があれば、酷暑の夏でも夜にはきちんと気温が下がってくれます。実際、今年の夏も、我が家は一晩中エアコンをつけていた日はありませんでした。扇風機すらいらないくらい、土と草木のおかげで夜は快適に過ごせます。
雑草が生えて困ることより、いろんな生物がいて、暑さが和らぐことの方が私にとっては重要なのです。
その土手のある道はいろんな人が通るので、気になる人もいるのでしょう。たまに近所の人の誰かしらが草刈りをしてくれることがあります。それ自体はありがたいという以外ありません。
その、たまに草刈りをしてくれる人の一人が、今朝どうやら除草剤をまいていたらしいのです。
我が家は井戸水を利用しています。
除草剤をまかれたあたりは井戸がある場所です。まかれた除草剤がどのようなものかは分かりませんが、草が枯れる薬剤が、人体に悪影響を及ぼさないとは思えない。土に染み込み、毎日利用している生活飲料水に入り込まないとも言い切れない。
また、家を建てた際、植栽にも結構こだわったため、敷地ぎりぎりまでいろんな植物が生育しています。それには、当然お金もかかりました。その植物が枯れないとも言い切れない。
どうしたものか、と悩みましたが、そのまま何も言わずにいると追加の除草剤をまかれてしまう可能性もあるため、意を決して一言伝えに行くことにしました。
近所付き合いもあるし、嫌な奴だと思われたくもないのですが、背に腹はかえられない。言わないとどうしようもないのです。
言いに行く前に、一応ネットで検索もしてみました。除草剤を近隣の人に勝手にまかれて、困っているという人は結構います。それを見ると、まいた相手に伝える以外、対応策はないようでした。
相手の方は、善意でやったことなのでしょうが、迷惑なのは迷惑。手遅れにならないようにしたい。時間をおいてしまうと言いに行く気持ちがしぼんでしまいそうだったので、すぐに家をでました。
その人は自分の家の外で作業をしているところでした。
「今朝うちの周りに何かまかれていたようですが、何をまいたのですか?」
まずは事実確認をします。
除草剤だということだったので
「何度まいたのですか?」
1回だけだとのこと。でも、今思い返せば、以前その土手の一部分が不自然に枯れていることがあったので、本当に1回かどうか怪しくはあります。
「うちは井戸水を使っているし、植栽が枯れるのも困るので、うちの周りに除草剤はまかないでください」
そう伝えると、悲しそうな顔をされ「もうまかない」と約束してくれました。
本当は、まいた除草剤の種類も確認したかったのですが、相手があんまりにもしょんぼりしてしまったので、それ以上追及することができませんでした。
普通多くの人は、除草剤を誰かの敷地の周辺に勝手にまくことが相手の迷惑になることが容易に想像できるはずです。私に電話してくれた人もそう思ったから、電話をくれたのだろうと思います。
でも、草を枯らしてあげることが相手のためになるのだと信じている人もいる。それが事実です。
価値観の違い、だというしかないのでしょうか。
草を枯らしてしまう薬剤が、環境に生物に悪影響を及ぼす懸念が浮かばない人もいる。だからお店には除草剤がたくさん売られている。
レイチェル・カーソンが記した『沈黙の春』が話題になってから、ずいぶんと時間が経ったけれど、いまだに除草剤は普通に売られている。
残念だけど、それが事実です。
草が生えてきたら、抜けばいい。
雑草は定期的に刈っていれば、必要以上伸びなくもなる。気になるなら、定期的に刈ればいい。
カバープランツを植えてもいい。
ヤギを飼ってもいい。
雑草が生えてくるところを毎日歩けばいい。
とにかく、除草剤はまかないでほしい。
私が今期待してるのは「マキ」の木の葉です。
我が家の生け垣はマキなのですが、その葉が落ちているとこはほとんど雑草が生えないのです。マキの葉をまくのは効果がある気がしています。
雑草たちが除草剤に負けずに生い茂ってくれたら、マキの葉で除草ができるか試してみたいと思います。