庭のムシ㉑

たぶん鳴き声をどこかで聞いたことがあっても、その声を発するものが何者なのか、あまり知られていないだろう「クビキリギリス」
春から夏にかけて日が暮れると、「ジーーーー」という声で鳴いているのを耳にします。同じような声で鳴くムシは他にもいますが、クビキリギリス切れ目なく長く「ジーーーーー」と鳴き、頭に響く音です。
夜行性なので、声は聴きなれていても、その姿を目にすることは稀。
今回は、たまたま車の窓に張り付いていたのを発見しました。日中見かけるときは窓付近が多い気がします。
日中出会うクビキリギリスの動きは緩慢です。ほとんど動かない。
けっこう近づいても逃げようとしません。小さな昆虫を食べることもあるようなので、夜はもっと俊敏に動いてるのでしょうか。
樹上にいることもあるそうで、そこまで立派な足ではありませんが、ジャンプ力はあるようです。飛ぶこともできますが、基本的に跳躍で移動します。
キリギリスよりなんだか頼りない見た目ですが、顎の力が強い上に、口周りが赤いため「血吸いバッタ」と呼ばれているそう。ちょっと怖い名前です。
もちろん、クビキリギリスは血を吸うわけではありません。食べるものはイネ科の植物や、小さな昆虫です。
この顎の力、どれほど強いかというと、嚙みついた状態で強く引っ張ってしまうと、頭部が抜けることがあるくらいです。すごい力・・・。
今回見つけた個体はそこまで、口は赤くありませんでした。まだ、幼虫なのかもしれません。

窓にいたので隈なく観察できました。なんとも愛嬌のある顔をしています。口周りが赤い姿も見てみたい。
しばらく窓でじっとしていたクビキリギリス。
日が暮れて活発になったのか、いつの間にかどこかへ行ってしまってました。