庭のムシ⑧⑨

里芋の葉っぱを見ると、水が溜まっていないかついつい確認してしまいます。
葉っぱの持つ撥水性によってきれいな水の玉が作られることに、子どものころから心ひかれていました。葉の上にある水玉をこぼさないように揺らすと、きれいな形のまま、緑の光を蓄えたそれが生きているかのように動いていきます。水玉の中だけ別世界が広がっているようにも見えます。
観葉植物として売られている「クワズイモ」は里芋の仲間ですが、こちらは食べられません。でも、葉っぱの美しさは同じです。
今回、葉っぱの上にいたのは、水玉ではなくアリでした。
何やら白い粒々の周りを忙しく動き回るアリたち。
水玉があるときも、里芋の葉っぱはきれいで心ひかれますが、アリの黒と葉っぱの緑のコントラストもきれい。
里芋の葉っぱの色は、何を置いても生える色をしている気がする。だから、観葉植物にもなるのでしょうね。
最初、卵のように見えた白い物体は、よく見ると「アブラムシ」のようでした。アリがアブラムシから甘露をもらっている最中なのでしょうか。
両者は全く無関係のようにも見えるし、アブラムシがいるからアリが集まっているようにも見える。不思議な光景でした。

アブラムシは密集して生息しているタイプのものや、離れ離れのもの、色も大きさも様々。今回見た白色のアブラムシは珍しい種類のような気がする。そうでもないのかな。
アリもアブラムシもとても身近なムシですが、種類を判別するのが難しい。
アリは、地球上で最も多くの生物種を持つムシです。その生態も多岐にわたり、興味深い。働きアリとさぼるアリの存在など、面白い研究もたくさんあります。
このアリは、アブラムシの近くにいて、小さめの黒々としたアリでした。そこから「トビイロケアリ」ではないかと思っています。
アブラムシは、えさになる植物がたくさんあるときは、メスだけで繁殖するムシであり、体の中で幼虫まで育ててから出産するけれど、卵でも増えるという柔軟性のある生き方をしているムシです。
どちらも、興味深く面白いですが、そう頻繁に出会いたい相手ではありません。特にアリは噛むので、少し苦手です。