本日は、どのようなお日柄ですか


お赤飯が好きだ。

程よい硬さで蒸されたもち米と、しっかりとした食感のある小豆を口の中でかみ砕くと、ほんのりとした塩味が口の中に広がる。

うっすらと紅く色づいたその見た目と、重箱にふんわりと収まる姿にも余裕があって、好ましいと思う。お赤飯は、特別な感じがする。

普通の赤飯でも十分だが、栗赤飯になるとさらに特別感が増す。

かつて住んでいた町には、栗赤飯が人気のお店があって、そこで買った赤飯をいつも2パックは平らげていた。本当は、もうひとパック食べることも出来たが、もろもののことを考慮して、なんとか2パックでやめていた。でも3パック目を少しつまんでしまうくらい美味しい赤飯だった。

あの栗赤飯は、昼前には売り切れることも多かったから、食べたくても食べられないこともあったな。今でも、秋になると食べたくて仕方なくなる。今年ももう、栗赤飯が売られている時期だろう。でも、容易には買いに行けないから、今の私は冷凍食品の栗赤飯おにぎりで我慢している。

栗と赤飯の絶妙な配分。噛み応えのある蒸し加減。そして、赤飯のしょっぱさと栗のほんのりした甘さ。それをなんとか自分でもと、再現を試みたことがあるが、うまく作るのが難しすぎてあきらめてしまった。自分の作ったものより、冷凍食品の方が断然美味しいのだから、仕方がない。

そんな、赤飯についてのあれこれも思い出しながら読んだ。

おススメ対象 中学生~大人

実のところ、お赤飯がメインなのではない。

圧倒されるのは言葉の力だ。

どうしてこんな言葉を紡げるのだろう。もちろん使われている言葉ひとつひとつは知っているけれど、それをどう組み合わせるかで、相手に与える印象が大きく違ってくるのだ。

言葉を選択する力がすごい。そのすごさにひたすら感動して、泣きながら読んでいった。

そんな内容と、なんでお赤飯がつながるのか。

それは、この本の単行本を手に取ってよく見ると分かる。

装丁も素敵な本だ。