子育ては得るものも大きいですが、困難も大きい。
そしてその困難は子どもの成長にしたがってどんどん変化していきます。
育てる側も子どもと一緒に成長してはいるのでしょうが、その時々のいろんな困難を目の前にしている最中は、果たして自分はこの困難を無事にやり過ごすことができるのだろうか、と絶望的になることが多い。
思春期もそんな時期です。
子どもが思春期を迎えたころ、育てる側は長く続く新たな困難に直面していきます。
思春期の子育ては「気を遣う」「問題が複雑化する」「対処法がない」そんな時期です。
どうしたらいいのだろうと途方に暮れた時、相談する相手が居ると助けられることもあるでしょう。
でも、思春期の悩みは多伎にわたり複雑です。
人に話せないようなこともあります。
誰かとゆっくり話す時間が持てないこともある。
あるいは、話したところで解決しないという思いもある。
そんなときに、この本を読むと少し気持ちが楽になります。
この本で示されるのは「心の法則」です。
「心の法則」を知ることで、漠然と上手くいかないと感じていたことの理由がわかっていく。
思春期を迎えた子どもとのことで悩んでいる人の助けになる本ですが、これから子育てをする人、子どもと何かしら関りがある人、かつて子どもだった人(すべての人)、今なんとなく「生きにくいなと」感じている人が読んでも助けになる内容になっています。
「自分はこんな風に子どもと接してきたから、今のこの状況があるのだ。」とか
「かつてこんな風に育てられてきたから、今の自分はこんな人間なのだ。」とか
「今自分が抱える悩みは、このような心の働きに拠るものなのだ。」など
いろんな気づきが詰まっています。
もちろん、この本を読めば思春期の悩みがすべて解決するわけではない。
でも、子どもがどのような「心の法則」に従って成長していくのか、それを知ることで、子どもと自分の関係を客観的に見ることができるようになります。それによって気持ちが救われることでしょう。