庭のムシ㊼

ひらひらと飛ぶ姿も美しく、とまる姿も美しいトンボ、ハグロトンボのオスです。我が家の庭ではあまり見かけることのないトンボです。出会ったら動画も撮りたくなるほど、飛ぶ姿が優雅でもあります。
他のトンボと同様に、河川汚染で数を減らしているハグロトンボ。これからもどんどん、出会う機会が減っていくのかもしれません。
暗闇のなかを黒い翅をはためかせながら飛ぶ姿に、神秘的な印象を受けるのか、「神様トンボ」という別名もあります。出会ってその飛ぶ姿を見ると、納得できる別名です。
四枚の翅をそれぞれ動かしながら飛ぶ姿は、ゆったりとした様子。見ていると心が和みます。他のトンボのように素早く飛翔したり、ホバリングもせず、耳を澄ませば、その翅の音が聞こえてくることもあるそうです。風流なムシです。
ゆったりと飛ぶハグロトンボですが、肉食性なので他の昆虫を捕食します。あんなにゆったりと飛びながら、どうやって捕食するのでしょうか。葉っぱについてるムシなどを食べるのかもしれません。
ハグロトンボはカワトンボ科に属するトンボの一種です。平地の清澄な流水に生息し、7月から8月にかけて多く見られるトンボ。すぐ近くに清流があるわけでもなく、見かけたのは6月下旬だったので、早く羽化し別の個体を探してとんできたのかもしれません。
オスもメスもきれいな黒い翅を持っていますが、特にオスの体は目を引くメタリックグリーンをしています。メスは黒一色。それもそれで神秘的。
涼やかな姿が、夏の庭に風を運んできてくれるトンボです。
