コメツキムシ


庭のムシ㊷

畑に植えている枇杷を収穫していたら、コメツキムシらしきムシを見つけました。

コメツキムシは、日本全土で見られる小さな甲虫です。その名前は、米をつく動作に似ていることからきています。

この甲虫の特徴的な行動は、仰向けにされると自ら跳ねて元に戻ることです。天敵に見つかると足をすくめて「偽死行動」をとります。その状態で平らな場所で仰向けにしておくと、跳びはねて腹を下にした姿勢に戻ることができます。このときはっきりとパチンという音を立てるのです。英語名の「Click beetle」は、この音を出す甲虫を意味します。

見つけたときは写真を撮る余裕しかなく、ひっくり返してみなかったので、この個体が跳ねるかどうかは確かめることができませんでした。これは、何コメツキムシなのかは分かりません。

コメツキムシの成虫は樹液や花の蜜、小さなムシを主に食するようですが、この個体はビワの果汁を吸っているように見えました。樹液を吸うなら、果汁も吸うことがあるのでしょうか。

コメツキムシの触角は多様で、ヒゲコメツキが立派な触角を持つことで有名です。体色も黒から褐色のものが多いですが、熱帯では金属光沢を持つものもあります。この個体は足が少し赤いような、角度によっては暗いような。日暮れに出会ったのでそこもはっきりとしませんでした。

幼虫は土壌性で、腐植質を食べるものや他の虫を食べるものがいます。幼虫として3~4年過ごすようです。一部の種は栽培植物の根や地下茎を食害するため、「ハリガネムシ」として防除の対象にされています。カマキリに寄生する「ハリガネムシ」とは見た目も生態も違います。

コメツキムシの幼虫は大きな顎をもっており、黒っぽいのは「風の国のナウシカ」に出てくる「ヘビケラ」のよう。

この個体はゆすってもじっとビワの割れ目に留まっていましたが、つついてみるとさすがに逃げていきました。