庭のムシ㉙

「でんでんむしむし~♪」
でおなじみのカタツムリですが、もちろんムシではなく軟体動物の一種です。最近はその姿をあまり見なくなりました。
子どもの頃は、雨が降る日や湿気のある日などによく見かけていたのですが、今はこんなに立派なカタツムリに出会うと、感嘆の声をあげたくなるほど、出会うことが少なくなりました。
カタツムリは雌雄同体で、互いに精子を交換して受精することができます。
だから、運よく二匹のカタツムリを見つけたら一緒にしてカゴに入れておくと、赤ちゃんカタツムリを見ることが可能です。
でも、カタツムリが自然界で生き残っていくのは、なかなか大変。カタツムリの産んだ卵の孵化率は低く、成長にも時間がかかります。多くの天敵にも狙われるため、生き残るのは容易ではないのです。
殻があるから、ナメクジより生存率が高いように思われますが、我が家の庭では圧倒的にナメクジの方が多いです。
長く生きるかどうかを比較すると、カタツムリが1年~2年、ナメクジは半年~1年ほどなので、カタツムリの方が長生きです。カタツムリは、殻によって、外敵や乾燥、温度変化から身を守ることができるからでしょう。
ナメクジは殻がない分、カルシウムの摂取にエネルギーを使う必要がなく、体の成長に集中でき、また、身軽に移動できる利点があります。
一回の産卵数を比較すると、カタツムリは3個~5個、ナメクジは20個~60個と大差があります。また、カタツムリは雌雄同体でも受精が必要なのにた対して、ナメクジは交尾をしなくても産卵できます。そのため、ナメクジの卵の孵化率は下がるようです。
このようなわずかな違いが、両者の数に影響を与えているのでしょうね。長生きできる方が、数が増えそうですが、世代交代が早いナメクジの方が繫殖には有利なのでしょう。
日本には300種類のカタツムリがいるようですが、今回見かけたのは「ミズジマイマイかと思います。
カタツムリは植物や動物の死骸を食べることで、土壌の肥沃化に貢献する生き物です。でも、農作物に被害を与えるので害虫として扱われる一面もあります。
カタツムリもナメクジも、粘液を分泌する生き物ですが、この粘液で仲間とコミュニケーションを取っています。
嫌われることの多いナメクジと違って、歌になるくらい可愛らしい形をしているカタツムリ。
でも、どちらも人間にとっては危険な寄生虫が潜んでいることがあるので、触った後はしっかり手を洗うことが大切です。
