庭のムシ㉕

スズメバチ科アシナガバチ亜科に属するアシナガバチ類。
刺されるともちろん痛いでしょうし、アナフィラキシーショックも怖い。出来る限り近づきたくはないムシです。
日本には11種類ほどが生息しているようですが、庭でよく見かけるのは恐らくキアシナガバチです。
夏になると、背の低い植栽や木の下枝あたりに巣を作っているのを発見することがあります。開いた傘のような形の巣は、葉の間にうまく作られ、簡単に見つけることはできません。
草取り中に自分が近づきすぎて警戒音(羽音)を出された場合や、植栽に水撒きをしている最中に水を嫌って数匹が飛び立つ姿を見ることで、そこに巣があることに気付くことがあります。
巣を見つけると、やはり刺されるのが怖いので取り除きたい衝動に駆られます。でも、アシナガバチはスズメバチと違って攻撃的ではないため、庭にいてくれたほうがいいムシだとのこと。
アシナガバチは刈りをするハチです。そのため、庭にいたら食害被害の原因になるイモムシ類を食べてくれるという助かる面があるのです。
一度、アシナガバチの狩りを観察できたことがあります。アシナガバチは思っていたより短時間でイモムシを団子状にし、庭から運び出して行きました。聞いたことはあったのですが、本物のイモムシ団子を見たのはその時が初めてでした。
チャドクガ被害も抑えてくれることを考えると、確かに、庭にいてほしいムシではあります。そうは言ってもやはり、刺されるのは怖い。
刺されないためには、自分がハチに近づき過ぎないことが肝心です。万が一近づき過ぎても、すぐに刺されることは稀。羽音に注意して近づかない。羽音に気付けないときも、威嚇飛行されるためそれに気が付いたら、静かにその場から離れることが大切。
でも、どうしても近づかなければいけないところに巣を作られてしまったら、そのときは取り除くしかありません。ハチは夜に活動しないので、取り除く作業をするときは、夜行うことにしています。
あるいは、夏になる前に木の下枝を払っておくと、巣を作られる確率が低くなるので、それもおススメです。
今年の夏は夕立が多く、庭の水撒きをあんまりせずに夏を過ごしました。だからか、アシナガバチの巣を一個も発見せずに夏が終わりました。
アシナガバチは古い巣を嫌うようなので、昨年の巣が残っていたことで巣を作らなかったのかもしれません。
庭に残されたハチの巣は、完璧で美しい形をしていまいした。