庭のムシ㉒

ミノムシが嫌いという人はそんなにいないはずです。
イモムシが苦手でも、ミノムシはその姿が蓑に覆われて見えないから、嫌われることが少ないのでしょう。
子どものころは、ミノムシはいたるところにいました。葉の落ちた木の枝や、家の壁、ブロック塀などいろいろなところで、ミノムシに出会った記憶があります。
動く姿を見かける機会も多くありました。身近だったからか、小学校の理科の実験でミノムシを採集し、蓑から出して、新しく蓑をつくる様子を観察した記憶がうっすらとあります。
でも、近頃はミノムシの姿を見かけることが減りました。外来種の「ヤドリバエ」に寄生されしまうことで、その数が減っているようです。
上の写真のミノムシも、蓑に穴が開いています。生きている気配を感じることができなかったので、この個体も寄生された後の姿だったのかもしれません。
あんなに馴染みがあったミノムシが少なくなるなんて、子どものころは想像もしていませんでした。我が家の庭でミノムシをみるのも稀です。思い返すと、年に数匹しか見ることができません。
自分が気づかないうちに、自然環境はどんどん変化している。ミノムシを知らない人も増えていくのでしょうか。あんなに馴染みがあるムシだったのに。
子どもにミノムシを見たことがあるかと聞いたら、ポケモンの「ミノムッチ」なら見たことがあるとのこと。けっこうな田舎に住んでいるのに、ミノムシを知らず「ミノムッチ」しか知らないとは・・・。
「ミノムッチ」からは実際のミノムシは想像できない。なんだか少しやるせない思いになりました。