庭のムシ⑲番外編

壁や窓にひっそりと佇んでいたり、ドアを開けると上からポトッと落ちてきてびっくりさせられたりする「ヤモリ」。
ヤモリ科は約930種の仲間がいるグループですが、日本には13種類のヤモリが分布しています。
でも、一般的にヤモリとして目にする機会が多いのは「ニホンヤモリ」でしょうね。
「ニホンヤモリ」はもともと日本にはいなかった、古い外来種なのだそう。約3000年前に中国から九州に渡来したことが判明したそうです。こんなに、馴染みがあるのに外来種だとは。今ではすっかり日本の生活になじんでいますよね。名前も「ニホンヤモリ」だし。
まれに鳴くこともあるヤモリ。私も数回、鳴き声を聞いたことがあります。
地域によっては「うわばき」(関東地方)や「ハイサ」(沖縄県)などといった別名がある生き物です。私が良く耳にする別名は「かべちょろ」。壁をちょろちょろ動き回るからでしょうね。見た通りの名前で分かりやすい。年配の方は「かべちょろ」と呼んでいる人が多い。
苦手な人も多いヤモリですが、我が家では可愛い生き物の部類に入っています。いきなり頭上に落ちてくるときは、さすがに驚きはしますが。
そんな、ヤモリなんですが、我が家では確実に数を減らしています。
原因はネコ。
姿も見えないのに、ヤモリが立てる音を聞き取って、時計の裏、壁掛けの絵の裏などから捕まえてしまうのです。ネコの聴覚はすごいなと思います。
捕まえて食べるのならまだしも、ハントするすることが重要みたいで、無残な姿になったヤモリを見かけることが増えました。家の中でヤモリを見つけると、「見つからないようにね。」と声をかけたくなってしまいます。
この写真の個体は、いまのところネコにハントされずに生き延びている様子。

前に一度、ヘビに飲み込まれないように格闘しているヤモリを見かけたことがあります。
デッキの屋根と梁の隙間で、飲み込もうとするヘビと、飲み込まれないようにするヤモリ。
ねばること30分。飲み込まれないように、足を踏ん張り耐えていたヤモリでした。ヤモリの生命力を感じた出来事です。
最後はヘビの体内に取り込まれていってしまい、食べる食べられるの関係のなか、生きているのだなと実感したのです。