「楽しい」をたくさん持つのは自分のため


旅行というものにあんまり興味がなかった。

準備や移動が大変で疲れるのが億劫。家を空けている間に溜まっていく家事を、帰ってからやらなければならないことを考えると気が重くなる。旅行から帰ってくると、その片付けや洗濯物に追われるのが面倒だ。

だったら、旅行には行きたくない。

長年そう思ってきた。

だから、コロナ禍で移動が制限されていても、別に自分には関係ないと感じていた。

でも、マスクを外して出かけるのが当たり前になりつつあり、観光地に観光客が戻ってきている様子を見ていたら、

「何か、どっか行きたいかも。」

「こことは別の場所でしか食べられない、美味しいもの食べたいかも。」

と感じている自分を発見する。

お金も時間もあんまりないけど、どっか行ってみようかな。

そう思っていたときに出会った本。

家族もいるし、飼っている猫も心配だし、仕事もあるし、そんなにすぐには出かけられないけど「行こうと思えばどこかへ行けるのだ」という気持ちを後押ししてくれる本だった。

旅へ今すぐ行けないけれど、行きたい気分を受け止めて欲しい。そんな気持ちにもピッタリフィット。

日帰りでも十分。リュクサックで行く旅行もいい。前泊して次の日観光というのも面白そう。釧路のさんまんま、すごく気になる。行きたい。食べたい。

子どもの頃行ったことがある観光地も載っていた。大人になった自分が、同じ場所に立ってどう感じるか知りたくもなった。

行ってみると、案外楽しい気持ちを満喫できる。見慣れない景色を眺めるのは楽しい。お土産を買って帰り、それがおいしかったりすると、家でも「楽しい」の続きが味わえる。

「楽しい」ことは、いつだって増やせる。「楽しい」が複数あると、苦しいときに助けられる。

「楽しい」を増やすのに、旅はうってつけだから、みんな旅へ出るのだろうな。